通夜の食事「通夜振る舞い」での喪主挨拶と料理手配と献杯の実例

通夜の食事「通夜振る舞い」・・の画像

弔問客に振る舞う通夜の食事、いわゆる「通夜振る舞い」について、
喪主の視点で、どんな準備をして、当日は何をするのか、実例を交えて説明します。

まずは、事前準備から、


通夜振る舞いの料理の申し込み数は

通夜振る舞いでお出しする料理の数ですが、
参列予定者数の5~7割くらいとすることが多いです。

通夜振る舞いは、しっかりいただくというよりも、少しつまんで、あまり長居しないでおいとまするのが暗黙の礼儀になっている地域が多いです。

特に弔問客が多く混雑している葬儀では、親族や故人に非常に近い人以外は、早めに切り上げることが一般的です。

料理内容も1人1膳ではなくて、寿司やサンドウィッチや煮物などが大皿で用意されていて、取り分けていただくスタイルですので、
参列者全員が1人1人前の食事をするというわけではありません。
ですので5~7割くらいの用意で丁度よいのです。

でも、5割にするか、7割にするかでなかなか幅がありますよね、

この割合を最終的に決めるのは、
参列者のなかの親族の割合で決めるとよいでしょう。

通夜振る舞いは短時間で切り上げる人が多いと書きましたが、親族は最後まで残ることが普通です。ですので、親族が多いと料理や飲み物はある程度、多めに必要になるので、参列者数の7割を目処にするのがよいでしょう。

逆に親族が少なく故人の子供の会社関連の方など一般の弔問客が多い場合は、短時間で切り上げる人が多いので参列者数の5割で十分なことが多いです。

<図>

 □□□□□□□□□□ 参列予定者数

親族の割合が高い家族葬
 ■■■■■■■□□□ 7割
 ■■■■■■□□□□
 ■■■■■□□□□□ 5割
一般客の割合が高い一般葬


通夜振る舞いの陰膳の用意は、

通夜振る舞いは大皿料理を取り分けるスタイルなので、陰膳用に1人前のお料理を追加する必要はありません。

大皿から故人が好きだった料理をいくつか取り分け皿にとって、仮位牌の側にお持ちすればよいのです。

また、陰膳は、温かいお椀の湯気がなくなったころ合いで、お下げして遺族でいただいたほうが、供養になると言われています。


通夜振る舞いの料理を決める

以前は、肉や魚を避け、海苔巻きとお稲荷さんの入った助六寿司や、野菜の煮物などでしたが、最近は、ほとんどの地域で、肉や魚も気にせず供されるようになりました。

通夜振る舞いで一般的なのは、

  • ・握りずし
  • ・サンドウィッチ
  • ・野菜の煮物
  • ・オードブル

などです。

メニューの決め方としては、参列者の食べ物の好き嫌いまでは、わからないでしょうから、
満遍なく、上記4種類を頼むとよいでしょう。
若干、握り寿司を多めに、オードブルはやや少なめにしておいたほうが、喜ばれやすいです。


通夜振る舞い挨拶を用意しておく

通夜振る舞いでの挨拶は、大きく分けて3つあります。

はじめの挨拶

小規模な葬儀で、喪主も含めて参列者全員が席に付けたときに、通夜振る舞いの開始の挨拶を喪主がすることがあります。

大規模な葬儀では、弔問客は焼香後に、通夜振る舞いの会場に順次通され、そこに既にお料理が用意されています。喪主や遺族の方々は、最後の弔問客がご焼香するまで、通夜会場にいますので、弔問客の知り合い同士で、通夜の会食を順次始めるような流れになります。
この場合は、喪主により最初の挨拶は行われないことが多いです¥。

献杯のご挨拶

全員揃って、通夜振る舞いが始まる場合、
その冒頭に、普通の飲み会の乾杯に近いのですが、献杯というのを行います。

「献杯」と言って、仮位牌のほうに向けてグラスを掲げます。
その時にグラスをあまり高く上げすぎないのが献杯でのマナーになっています。

会社の飲み会などでも、最初の乾杯の前に偉い人が少しお話してから乾杯となるように、
献杯に際しても、親族の代表となるような方にご挨拶していただくこともあります。

故人の兄弟くらいの年齢の方になることが多いです。
喪主は、献杯のご挨拶をいただきたい旨を、その方に事前に頼んでおき、はじめの挨拶の最後に、
「では献杯は、〇〇おじさんにお願いします。」などと言って、献杯のご挨拶を促します。

もし、
通夜振る舞いの参加者が家族だけであるとか、
喪主自身が一番目上であるとか、
献杯の挨拶を頼めそうな親族がいない場合は、
喪主自身が最初の挨拶の最後に「献杯」してしまってもよいでしょう。
参列者もそれに続き献杯してくれるはずです。

個々の弔問客への挨拶

特に大規模な葬儀では、最初の参列者全員に対する挨拶ができませんから、皆さんの焼香がすべて終わり、喪主も通夜振る舞いの会場に着いてから、まずはお坊さんとお話し、その後、個々のテーブルを回りご挨拶をすることが多いです。

お開きの挨拶

通夜振る舞いの時間はおよそ1時間くらいが標準です。
多くの人が会場を借りていることから、時間通りに終わることが必要です。

時間近くになると、葬儀社か会場のスタッフが、「そろそろお時間ですので」と教えてもらえると思いますから、
喪主であるあなたは、以下のように、お開きのご挨拶をして、その場を閉めてください。

「本日はお忙しいなか、父〇〇のためにお集まりいただきありがとうございす。名残惜しくもありますが、そろそろお時間となりました。・・・」それを合図に、参列者の皆様も帰り支度を始められることでしょう。

昔は、夜通し通夜振る舞いを続けるという慣習もあったそうですが、

今は、参列者に超高齢者や遠方からいらしている方も多く、次の日の告別式のためにも1時間ほどで切り上げることが普通です。


世話人やお手伝いの人が多かった場合は

もし、今回のお通夜に世話人と呼ばれる人やお手伝いに来ていただいている人がいる場合は、通夜振る舞いが終わったあとに、その方達の労をねぎらう食事をすることもあります。

受付などは、葬儀スタッフが手伝うことはなく、遺族も通夜式への参列が優先されるので、喪主の知り合いにお願いして手伝ってもらうことが普通です。
地方によっては、町会長とかが世話人、近所の方がお手伝いとして、何人もが受付や様々な雑務を手伝ってくれる慣習が残っているところもあります。
お手伝いの方が多かった場合は、このように労をねぎらう食事をすることもあります。

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